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今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】3.クラッチ&シフトワーク(3)人間クイックシフターを目指せ!(動画あり)

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今日から使えるライディングテクニック実践講座【最新版 スマテク2.0】3.クラッチ&シフトワーク(3)人間クイックシフターを目指せ!(動画あり)(動画あり) 01
写真/渡辺 昌彦 取材・文/佐川 健太郎 衣装協力/KUSHITANI

バックラッシュを利用して
3つの操作を同期化する

今回はギアチェンジを素早くスムーズに行うためのテクニックです。ご存じの方も多いと思いますが「クイックシフター」という装置があります。クラッチを使わずにシフトアップ&ダウンができる優れものです。元々はレースから生まれたデバイスですが、最近では市販車にも装備されたモデルが増えてきました。一瞬点火をカットして駆動力が抜けた状態を作り、その瞬間にシフトチェンジする仕組みですが、いわばクラッチを切るのと同じ状態を作り出していることになります。クイックシフターはコンマ数秒でギアチェンジ可能な便利な機能ですが、自分の操作スキルを高めることでクイックシフター並みの素早いシフトチェンジを目指そうというわけです。

主に2つの方法があります。ひとつはノークラッチ・シフトアップ。クラッチを使わずにシフトアップする方法です。やり方としてはスロットルを戻した瞬間にチェンジペダルをかき上げますが、これを同時にやるのがポイント。バイクの構造上、スロットルを戻した瞬間にドライブチェーンが弛みますが、こうした駆動系の遊び(バックラッシュ)を利用してシフトアップする方法です。タイミング良くこれが決まると、何のストレスもなく吸い込まれるようにギアが入ります。駆動力が抜けた状態なので、ミッションやクラッチへの悪影響もありません。

もうひとつの方法がブリッピング・シフトダウン。ブリッピングとはスロットルを煽るという意味。これは「クラッチを引く」→「スロットルを煽る」→「チェンジペダルを踏み下げる」の3つの操作を同時に行うのがポイントになります。自分はこれを操作の「同期化」と呼んでいます。一瞬の中にすべての操作を詰め込むことで、クイックシフター並みのスムーズで素早いシフトワークが可能になるわけです。

ちなみにブリッピング・シフトダウンはクラッチを使わずともできなくはないのですが、急激にギア段数を下げていくとエンジン回転数が上がりすぎる場合もあるため、半クラで駆動系の遊びを多めに作ってやることでよりスムーズにこなせるはずです。繰り返しになりますが、シフトワークで大事なのは3つの操作の同期化です。タイミングさえ合えばバイク的にも負担はないので是非試してみてください。詳しくは下記の解説をご覧ください。動画も合わせてチェックしていただくと動きのイメージが分かりやすいと思います。

これを見れば完璧!人間クイックシフターを目指せ!

Point1
「ノークラッチ・シフトアップ」

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■アクセルを戻すと同時にアップ
加速しながらのシフトアップに最適なのがこれ。加速中に一瞬スロットルを戻す(1)と同時にチェンジペダルをかき上げる(2)。右手と左足の操作を同期化するのがキモ。あまり高回転まで引っ張りすぎず、トルクバンドが始まる辺りでリズミカルにシフトアップしていくとスムーズに決まるはず。クラッチは使わないので、説明用に写真ではあえて左手をハンドルから離している。安全な場所で試してみてほしい。

Point2
「ブリッピング・シフトダウン」

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■アクセルを煽ると同時にダウン
コーナー手前で「フォン、フォーン」とアクセルを煽りながらシフトダウンするシーンを見たことがあると思う。ブリッピング・シフトダウンは減速しながらスムーズに素早くシフトダウンするテクニックだ。クラッチを引く(1)と同時にスロットルを煽りつつ(2)、チェンジペダルを踏み下げる(3)という3つの操作を同時に行うのがキモ。最近はクイックシフターが普及しているが、ダイレクト感ではブリッピングが勝る場合もある。

■手首のスナップで掌を当てる
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ブリッピング・シフトダウンは減速中に行う操作なので、基本的にはブレーキレバーを握りながらアクセルを煽ることが多くなる。ちょっと高度なテクニックだが、指は2本掛けにしてブレーキレバーを一定に引き込みながら、人差し指と小指の2本でスロットルを軽く捻る動作になる。アクセルを煽るというが、実際は手首のスナップを効かせて掌の下側(写真で囲んだ部分)をグリップに当てていく感覚だ。

Point3
「半クラでバックトルクを逃がす」

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■手応えが出たらじんわりリリース
ブリッピング・シフトダウンの操作が難しい場合や下り坂などでエンジンブレーキを積極的に使いたい場合などは、シフトダウン時に半クラを長めに当てると効果的。意識的にじんわりとレバーをリリースすることでエンジンブレーキが緩和され、“角がとれた”スムーズな減速が可能になる(図を参照)。予想以上に減速するため峠道でもほぼノーブレーキで走れてしまうし、車体の姿勢安定効果もある。何よりも操作が簡単だ。

スマテク2.0 講師 プロフィール

Source: バイクブロス
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